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───昨日までのわたしとさよならしたい。 3巻に現在の作者のあとがきがあるのですが、この作品は作者が自分自身の壁にぶつかった時期に描かれたものらしいです。 「本当にいろいろ悩んだ時期に描かれた作品だったことが全面に出ている───というか、・・・ こりゃすごいわ・・・(あとがき抜粋)」 あの時、これを描いておいてよかった、と。 私も、この作品に出会えて良かったと思います。 亜沙子はとても真の強い少女です。くじけそうになっても一生懸命前に進んで行きます。 親友との友情も、自分の力で本物にしてゆくし、かたくなに心を閉ざしていた新田友も亜沙子との出会いから、自分を取り戻し、自分の道を進もうと歩み始めます。 でも二人はあまりにも純粋過ぎるのです。 「なんであんたたちもっとうまくやれないのよっ!」と、友を好きになってしまった友人の里美に言われても、不器用な生き方しかできない二人。 そのために、余分に敵を作ってしまう。 でも、純粋だから彼らをわかってくれる人もふえていって、それでも現実はきびしくて・・・ せつないお話です。 回りを見返すために過労で倒れるほど勉強をがんばってしまう亜沙子。 「トップをとればなにをやっても許されるというほど甘くはないんだよ」と皮肉を言う教師に 「勉強ってテストで主席をとるためにするものじゃないもの。反省してます」と顔を上げて言える亜沙子が好きです。 |
佐々木丸美「沙霧秘話」11月25日(日) 沙霧よ沙霧、愛しい娘。
神秘の血を受け継いだ少女沙霧。
一人の沙霧は父親と一緒にお屋敷で育った。
一人の沙霧は、海辺で孤児として育った。
お屋敷の沙霧は、おとなしくて右利き。
海辺の沙霧は、おてんばで左利き。
お屋敷の沙霧は時々おてんばになる。
海辺の沙霧は、時々お嬢さん。
それぞれに平穏に暮らしてきた沙霧はやがてそれぞれに恋をした。
その恋は、やがて二人の運命を交差していく・・・この本は「影の姉妹」(単行本のみ)という本の続編になります。
邇邇玉(ににぎ)、毘翠(びなす)、真拆(まさき)へと続く物語。
その、かくれ里で守られてきた神秘の血を引く少女沙霧の秘められた物語。
みんなが、彼女たちを守るために一生懸命に手を尽くす姿に心打たれます。
きっと彼女は幸せな一生を送るのでしょう・・・
彼女を愛するものたちの思いと、代々受け継がれてきた子守唄に託された思い、その全てを受けとめて・・・
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ある日、ルーが自分で転んで舌を噛み切るという事故が起こり、両親の誤解からソロモンは遠くに捨てられてしまいます。 読みきり形式の短編で綴られた、全3巻のストーリーは、笑いとペーソスが程よく混じっていて、とても読み応えあります。 いじわるな長女ピアは、本当はとても優しい女の子です。 ただ、照れ屋であまのじゃくなのです。ただひとり、BFイーノの前でだけ みせる真実の姿は、とてもかわいらしいです。 それは、ルーを好きなくせに、「こいつは俺の携帯食料だ。もっとおいしく育つまで、待ってやってるだけなんだ」と言いつつ、目を細めて見ているソロモンにとても似ています。 ウォーカー家には、本当はもう一人兄弟がいるはずでした。 ピアが1歳の頃に、お腹の中で亡くなってしまった弟ジョゼフ。 ジョゼフの命日になるとお墓参りに遠くの町まで出かけるママ。 ママをびっくりさせようと、一生懸命にお皿洗いをしたり、部屋の掃除をするピア。だけど・・・ 慰めるイーノに「ごめんね、今日は何もわかりたくないの。ジョゼフが可哀想なことも、ママが疲れてることも、私が悪かった事も・・・」 と呟くピア。 2巻に入っている「屋根の上の犬」というこの話、私は涙なしで読めません。 |
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田中麻理鈴(まりりん)は超大手企業近江物産にコネで入った落ちこぼれ社員。 これは、落ちこぼれ麻理鈴の恋のゲームコミックです。 麻理鈴は落ちこぼれだけれど、本当はとってもできる女の子です。 最初馬鹿にしていた人たちが、彼女に目を見張るようになるのは読んでいて快感です♪ LEVEL1から始まり、LEVEL37までレベルアップしながら、立ち塞がる敵(上司やライバル)をなぎ倒し、王子の元へと向かう麻里鈴の活躍をぜひ読んで見てください。 この本にはストーリーを楽しむ以外にも、別の楽しみもあるのです。 それは、裏表紙と扉絵。 すべて、ゲーム画面なのです。(写真はこちら) 扉絵のゲーム画面には、「インベーダー」とか、「ブロック崩し」とか、ゲームをほとんど知らない人でも、『あ、これっ!』と思うものがいくつか見つかると思います。 裏表紙は1巻から37巻まで、そのストーリーを追いながら、すべてが繋げて描いてあります。 それを並べて遊んでみるのもいいでしょう。 読んで、見て、遊んで、3倍楽しめる本です。 |
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「ザマァミロ」 |
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とてもあたたかくてほのぼのとしたストーリーです。 なによりも、赤ちゃんがかわいいっっ。 マンガの間に、「助産婦さん情報」というのか゜8編入っていて、こちらもとてもためになっておもしろいです。 |
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《千尋》 千尋は秀一郎にとって、かけがえのない宝だった。 17歳の時に生まれた妹。「誰の子かわからない」と言われるほど、物心つく前から、母よりも兄である自分を慕ってついてきた。 不意の事故で両親を亡くし、たった二人で生きてきた。 そんな千尋が、今彼の手を離れ嫁いでいこうとしている─── 《千歳》 「お付き合いしてるの。結婚するつもりよ」 そう言っていた姉が酒に酔って車にはねられて死んだ。 あれは、本当に事故だったのか? 真実を求めて、姉の愛した作家の家に素性を隠して入りこむ千歳。 彼は、小説の中に姉の姿を写し出していた。 そこに見えた、真実は─── 《千尋》《千夏》《千鶴》《千香》、1冊に4篇ずつ、千の付く名の女性を主人公にして結婚をテーマに綴った作品集です。 千の付く名前ってこんなにもあるのねって、それを楽しむこともできます。 いろんな女の子たちがいて(大人だから女の人っていった方がいいのかな? でもみんなとってもかわいいのです)、いろんな物語があって、どれをとっても素敵な話ばかり。 1冊ずつでも構わないけど、どうせなら全4巻すべて味わいたいお話です |
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少年SFジョブナイルなのですが、どちらかというとラブストーリーになっています。 |
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昭菜という名前が、不幸の元だった。 人格者の父、しとやかな母、何不自由ない四人の姉たち。 本岡家の中で昭菜だけが異端児だった。 身体が弱いからと学校にも行かせてもらえなかった昭菜。 誰も彼女に声をかけるものはいない。 ただ一人同居していた大学生の叔父壮嗣だけが、誰もいない時にだけやさしく声をかけてくれた。彼女の中に芽生える恋慕の情。 徹底的な無視と差別の中、10歳の昭菜は捨てられたカルタを使って字を覚えた。 こっそりと広告の裏に書いた言葉は、「あきな」「つよし」 そして、「おとうさん」「おかあさん」 決して彼女を省みる事のない人たちの名前。 だけど、せっかく芽生えた勉学への芽も、無慈悲な眼差しの前に摘み取られてしまう。 何もかも諦めの中に生きる昭菜。 虐げられ続けた魂は、やがて本岡家に一つの石を投じる事になる。破滅へと導く小さな一石。 そんな中でも、彼女の中に激しい恋はひっそりと芽生えていった・・・ 「雪の断章」の飛鳥、「忘れな草」の弥生。 運命に振りまわされながらもけなげに生きる3人のいとこのうちの、最後のひとり、敵の一族本岡家に引き取られた昭菜のものがたり。 佐々木丸美さんの本は、幻の遺産を軸にして、すべての物語が繋がっているのです。 この3部作は、遺産の継承件を持ついとこたちの物語として、それぞれ一つの作品として描かれています。 幻の遺産を巡る壮大なストーリーの方は、未完のままですが、これだけを読んでも十分にその世界を堪能することができます。 雪の北海道を舞台にけなげに生きる少女の姿を、少し古風で美しい文章で描かれた、とても素敵な物語です。 |
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