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ロリータ──少女の詩集です。
「言葉」にコンプレックスを持つ少女斎(ゆい)が綴る、青春のポエムです。
1話読みきりで、ひとつのタイトルにひとつの詩が書かれています。
不器用で、本当は人一倍繊細で臆病なのにそれを素直に出すこともできなくて、それゆえに人と混ざり合うことができずに一人になってしまう少女。
でも、その姿は、周りからはつっぱっているとしか見えなくて。
そんな斎が、あがきながら一生懸命に生きてゆく姿は切ないけど、周りの人たちはやさしくて読後感は心地よい、とってもよいお話です。
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コメント
「手紙」
本当は使いっ走りをさせられているのに、病気の少女に、友達がいっぱいいるというウソの手紙を書いている少年。
でも、ウソは苦しくて、少年が、手紙を破く。
それを偶然見てしまった斎。
「あんたみたいに強くなりたかった」と言われて、「あんたはへらへら笑ってた方がいいと思うな」と言う。
「あたしみたいにはなれないよ」と。
(そうすると、気まずくなりそうな空気を和ませて周りを安心させる。私にはできない)
言葉には出さなかった思いは、きっと半分ぐらいは少年にも伝わっただろう。
手紙
ぺらぺらで
風に飛ばされる程
たよりないのに
心が見える
姿よりも声よりも
理想の自分にはなれないけど、今の自分のままでもいいんだよって言ってくれている、この話がとても好きです。 |
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水紀
「手紙」私もこの話好きです。飛ばされた手紙のことを気にして使い走りをさせてた少年が、健二のことを思いやって声をかけてくる。そこで斎の言葉が生きてくる。そこも好きです。
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ゆーり
「おまえが笑ってないと調子狂うんだよな」という照れ交じりの言葉に、相手の気持ちを汲み取って、いつも通りにフォローしながら笑う健二の笑顔が良かったね。
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